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を支援することも可能になる。
(2)異機種・分散的なGPME
GPMEはネットワークをべースとした分散的かつオープンなシステムアーキテクチャを採用しており、業務の分散処理を実現している。それによって、設計と生産計画、管理などの作業は、物理的な場所とは関係なく、ネットワーク上で統合された形で、行うことができる。GPMEを利用した場合、アプリケーションシステムだけでなく、具体的な製品の設計と生産情報を表現するプロダクトモデルも複数のコンピュータの上で分散させることもできる。システムの相互運用は次に述べる直接リンクか間接リンクによって行う。分散的なアーキテクチャは共同設計、バーチャル企業などには、不可欠である。
GPMEのオープン性は、オントロジの拡張、既存および新規開発の異機種アプリケーションシステムと相互運用可能、および標準データ交換支援にある。このオープン性によって、昔の財産を活用しながら進歩している技術の即時導入が可能である。GPMEのオープン性は下で述べるプロダクトモデルアクセスの共通規範によって実現されている。
システム間の情報アクセスの規範化はシステム相互運用の有効なアプローチである。GPMEはオントロジの共有に加えて、プロダクトモデルアクセスの共通規範を導入しており、システムの相互運用を支援する。GPMEはプロダクトモデルアクセスプロトコール(PMAP)を定義しており、それを利用することによって、システムの構成と関係なく、プロダクトモデルのデータをアクセスすることができる。その結果、異機種システムの間の統合をプロダクトモデルを介して、より容易に実現することができる。
GPMEは他のシステムとのプロダクトモデルデータ交換の規範として、STEPのデータ交換形式を採用している。すなわち、直接GPMEプロダクトモデルデータにアクセスできないシステムは(4.節参照)、STEPのPart21形式のデータファイルを通して、GPMEプロダクトモデルおよびアプリケーション固有のデータベースまたはファイルとのデータ交換が実現できる。
(3)高度なユーザ支援の実現
GPMEは組立産業汎用及び造船業共通なオントロジを提供するが、GPMEユーザは自社の具体的なプロダクト(例えばコンテナ船)のためには、GPMEを利用する際に、オントロジの拡張が必要となる。オントロジの拡張には、業務知識と情報モデリング知識の両方

 

 

 

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